「アイマス」菊地真と萩原雪歩のツインライブで見た“xR技術を活用した意欲的な3DCGライブ” - (page 2)

 ライブも終盤というところで、まず「edeN」で疾走感あふれる楽曲をカッコよく歌うと、本公演のために作られたオリジナル新曲「Halftone」を披露。2人の重なった歌声がバンドサウンドにのせて、聴く人の心に届くようなステージとなっていた。

「edeN」
「edeN」
「edeN」
「edeN」
「Halftone」
「Halftone」
「Halftone」
「Halftone」

 ここでステージには雪歩がひとり立って、ソロ曲「Kosmos,Cosmos」に。宇宙をイメージするような楽曲を、幻想的で優しい歌声でひとり歌い進めるなかで、途中からは真も参加し、真の持つまっすぐな歌声も重なり、魅了するものとなっていた。

「Kosmos,Cosmos」
「Kosmos,Cosmos」
「Kosmos,Cosmos」
「Kosmos,Cosmos」

 2人が「Kosmos,Cosmos」や「Halftone」が歌えたことの喜びを語りつつ、最後の曲として告知したのち、イントロが流れるとどよめきとともに拍手もわく状態に。ここで歌われたのは、アイドルマスターシリーズ15周年を記念して制作されたコンセプトムービーの楽曲である「VOY@GER」。サイバーライクなEDMサウンドにのせて、サイバー空間を感じさせる演出はもとより、5色のブランドカラーのライトが放たれる光景もあるなかで、2人は間奏でもキレキレなダンスを見せるなど、ダンサブルなステージを展開した。

「VOY@GER」
「VOY@GER」
「VOY@GER」
「VOY@GER」

 2人は挨拶をして降壇したものの、アンコールの声が巻き起こる。そのあと、冒頭の朗読劇の続きが上映され、満月が描かれたイラストとともに、長い時を経て再開を果たすというハッピーエンドのストーリーが語られた。

 2人がステージに再登場し、ツインライブの試みについて感想を語ったり、来場者や配信視聴者に向けて、感謝の言葉を送っていた。そしてラストナンバーとして歌ったのは「まっすぐ」。心温かく前向きな気持ちにさせてくれる、締めくくりにふさわしい楽曲と、2人は間奏で手を振ったりしつつ歌い、改めて終わりの挨拶をして降壇。最後にエンドロールが流れるなかでは、リハーサル中の様子と思われる2人の映像もあわせて上映するというサービスもありつつ、ステージを締めくくった。

「まっすぐ」
「まっすぐ」

 配信の映像ではアイドルのみならず、舞台となるお城や“バミリ”と呼ばれる立ち位置の目安となる×印や番号まで描かれたステージ、そしてライティングも含めて作りこまれたと感じさせる3DCGのステージ表現が目を引くものとなっていた。2人の動きもMC中での仕草なども丁寧に表現されており、2人が歌っている感覚を得られるもの。披露された楽曲は、背景となるストーリーにも沿ったと思えるものでもありつつ、「アイドルマスター」シリーズにおける展開初期の楽曲も含まれていたため、懐かしさも誘うものとなっていた……と、配信だけで見ればこういう感想となるのだが、本公演の魅力はこれだけにとどまらない。

 前述のように、本公演はリアル会場でも行われており、この配信映像を大画面で上演するような、いわゆるフィルムライブではなく、透過スクリーンを活用したと思われるMRライブであることも、大きな特徴だ。会場のステージは装飾こそ施されていたり、ステージ上部にはモニターにより半月を映したり、ムービーのような映像演出が行われていたものの、アイドルの背景などには映像演出を入れておらず、リアル会場と配信映像ではアイドルの動きや歌声といった内容は同じでも、見えているステージの光景が全く異なるものとなっていた。

 筆者も実際にリアル会場で見ていたのだが、細やかで個性が表れるような動きや衣装の揺れなど、一挙手一投足で魅了しつつ、ライブとしてのライティング演出に加え、来場者の歓声によって実在感が得られる、実在感があるからこそ歓声があがると感じられる空間となっていた。ちなみに、配信では流れなかった「お見送り会」も参加したが、来場者の身振り手振りや、手にしているうちわに反応している様子は見受けられた。

 一方、配信は3DCGの空間でアイドルたちが歌い踊るという見応えのある映像になっており、一般的な3DCGのライブにおける現地から配信中継として、会場の投影映像を映し出す以上の体験が得られるものになっていた。さらに、配信でもリアル会場の歓声が流れる形となっていたため、曲中のコールだけではなくトークに反応したりどよめきもあるなど、作られたものではないリアルな反応を音声があるため、より臨場感が得られるものとなっていた。

 その意味では、xR技術を活用した3DCGライブイベントの意欲的な取り組みになっており、鑑賞や視聴体験をより向上させるものと思えた次第だ。

「まっすぐ」
「まっすぐ」

 また余談ではあるが、筆者個人として印象的だったことはいろいろとある。今回都心から移動する際のJR高崎線下りで、籠原駅での一部車両の切り離しを知らず慌てて移動したこととか、逆に前橋駅からは沼津駅行きの直通列車に乗って楽には楽だったが東京駅まで約2時間乗り続けるのは少々疲れたこととか、前橋市公認マスコットキャラクターの「ころとん」に会うことはできなかったものの、豚のしっぽのようにうずまき状にしたぐるぐるウインナーはキッチンカーで買って食べたとか、ライブに関係のあることの話をすると、筆者がシリーズ初代作であるアーケード版のロケテストで最初にプロデュースしたアイドルが雪歩なので、そのときの雪歩の持ち歌である「First Stage」が披露されるのは感慨深いといったこととか、MCで雪歩が「ALRIGHT*」の歌唱を示唆する話題をして歓声があがったあと、見ていた席の後ろから「こ、これが見たかったんだよぉ……」という、雪歩をお気に入りとしているであろう方の声が聞こえてきたこととか、展開初期から知っていると「Kosmos,Cosmos」が歌われることの特別感というものがあると思われるのだが、後ろのほうから感極まっているであろう鼻をすする音が聞こえてきたとか、さらに余談を重ねて恐縮だが、実は[~友藍~]公演も[~悲藍~]公演も後ほど配信をアーカイブで拝見させていただいたのだが、[~友藍~]で披露された「My Best Friend」があまりにも懐かしすぎて声が出たとか、[~悲藍~]公演の冒頭3曲が朗読劇のストーリーも相まってあまりに“強すぎて容赦の無い”楽曲だったので頭を抱えたくなったこととか、話しを[~純藍~]公演に戻しつつラストナンバーが「まっすぐ」というのも懐かしさとともに“わかってる感”を感じたり、真と雪歩が歌った「VOY@GER」の音源は早く販売してほしいと思っていることもあるのだが、遠方ながらも現地に行ってみて、前述した客席からの反応も含めて実在感があるからこその歓声があり、歓声があるからこそ実在感も増すということを改めて実感したことに加え、17日は月齢で半月の日になっており、会場を出たらきれいな半月が照らされていたことが印象的で、足を運んで良かったと思えたことと同時に、筆者お気に入りの765ASのアイドルは双海亜美、真美の双子姉妹なので、2人の“ツインライブ”が見たいと思った次第だ。

 なお、本公演のアーカイブ配信が期間限定で実施。3公演とも共通で、アーカイブ視聴期間は4月14日23時59分までを予定(販売期間は4月14日18時までを予定)。詳細はイベント特設サイト内「xRライブストリーミングチケット」の項目に記載されている。また、YouTubeアイドルマスターチャンネルにて、各公演の冒頭約10分の無料配信を実施。無料パートのアーカイブは、ライブ本編と同期間の公開を予定しているという。

 本公演の開催を記念した「アイドルマスター×前橋市・赤城山コラボ」が開催中。前橋文学館1階ロビーでの、萩原雪歩の詩やパネルの展示、道の駅まえばし赤城観光案内所内サイクルステーションでは、菊地真のパネル展示中。また、コラボマップの配布や、前橋市内のさまざまな場所でフラッグやポスターを掲出中となっている。詳細はアイドルマスター公式ポータル内3月15日付けニュースや、「前橋まるごとガイド」サイトまで。

「アイドルマスター×前橋市・赤城山コラボ」
「アイドルマスター×前橋市・赤城山コラボ」

 また、開催記念グッズの販売も実施。公演内の印象的なシーンを収めたアイテムや、絵本のアイテムなどが用意されている。受付期間は3月31日まで。詳細はアソビストア内特設サイトまで。

「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」開催記念グッズ
「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」開催記念グッズ

「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “ はんげつであえたら ”」特設サイト
「アイドルマスター」公式ポータルサイト

(C)窪岡俊之 THE IDOLM@STER TM&(C)Bandai Namco Entertainment Inc.

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